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目次
体育館のワックスがけの頻度が高いとどうなる?
みなさん、こんにちは、コートラインプロの堀内です。
コートラインプロでは、スポーツフロアや器具の工事のこと、施設や器具のメンテナンスのこと、スポーツ競技のことなどの記事を随時更新しています。今後も改善を重ねより分かりやすいサイトを目指します。
具体的にどんなことかと言えば、例えば、体育館スポーツフロアーのメンテナンスにはどのような用品を使えば良いか!スポーツフロアがどれ位痛んでいたら、どのような工事が必要になるかなどを掲載しています。またお客さまからご要望の多い質問何かもQ&A方式で回答しています。
多くの体育館の床メンテナンスに使われているワックスですが、時として危険を招くことをご存知ですか!?
ワックスはウレタン塗料と比較して摩耗に弱く、直ぐに滑りやすくなってしまいます。
そのため、定期的にワックスを掛け直す必要があります。
補修や改修のためウレタン塗料を再塗装する場合、ワックスを塗った床はウレタン塗料をはじいてしまうため、剥離作業を行うか、研磨にてワックスを取り除く方法しかありません。
ただ、ワックスの剥離作業を行う場合、水分を含んだ剥離剤をある程度の時間床面に滞在させる必要があるため、水分が浸透し床面が反ってしまう可能性があるのです。
このようなことを繰り返すことで、木材の劣化を進行させ、床板損傷の要因となってしまうのです。
負傷事故の発生に繋がりかねません。
メンテナンス不足やメンテナンスの間違えで起きた体育館での事故事例
・ 事故概要
フットサルサークルの練習中、他の学生2名がパス回しをしていた。
ゴールキーパーであった被災者が、パス回しをしている2名の間のボールを途中で奪おうとして飛び込み、背面で床を滑った際に、床板の一部が被災者の背中に刺さり、負傷した。
・ 維持管理
日常清掃:利用者に対しては義務付けがなされておらず、委託清掃業者によって週2回のモップを使った乾拭き。
特別清掃:年2回の水拭き、洗浄、ワックス掛け。
日常点検:週2回の清掃時に清掃業者が点検。何か不具合があれば管理者に連絡することとされており、点検項目は定められていなかった。
改修:事故発生の25 年前に床全面改修。このときの資料は保管されておらず、詳細は不明。
⑤・負傷状況
診断名:外傷性肝損傷
症状:肩口から木片が刺さり、肺を貫通し肝臓まで達する。24 日間の入院及び自宅安静。35cm の術後瘢痕。
消費者庁が見解を発表!ワックス掛けや水拭きが危険なわけ
一般に木材は周囲の温湿度の変化に応じて吸湿したり放湿したりし、それに伴って寸法も変化している。
このため、床板においても過度に吸放湿するような環境の下では、床板の変形が大きくなり、段差や割れなどの床板の不具合につながるといわれている。
床板の含水率が適切な範囲から逸脱する要因として、立地環境、空調、維持管理時の水拭き、ワックス掛けなど、様々な状況が考えられる。
何年にも渡りワックスを塗り重ねた体育館フロアーの状態
ワックスは、塗り重ねることで、厚みを増していきます。
定期的に、はく離といって剥がす作業が必要なのですが、そのことを知らずに塗り重ねてしまっているようです。
ところどころ剥がれていたり、フロアー全体が本来の色でなく黒ずんでいればワックスが塗布されている可能性が高いです。
危険だけじゃない、ワックスや薬剤付きモップでメンテナンスを行うと、適切なメンテナンスの導入時にコストUPになる!?
記事の前の方にも書いたように、ウレタンでメンテナンスを行う場合、ワックスが残っている状態では塗装ができません。
そのため、剥離にて剥がすか研磨が必要になります。
剥離作業は、ワックスを溶かし除去していく作業、研磨は削って除去していく作業のことになりますが、いずれにしても時間と人工が必要となります。
そのためワックスが掛かっていない状態と比べメンテナンスコストが高くなってしまいます。
滑りやすい、みすぼらしい!ワックスメンテナンスによって起こる床の不具合!?
ワックスは、塗った直後に光沢がでる特徴があります。
そのためメンテナンス後には綺麗になったと思うでしょう。
しかし、しっかりと密着していないため剥がれやすく汚れやすいのです。
ワックスによって斑模様になってしまっていても、その原因がわからないと思います。
例えばウレタンがテープ程の粘着なら、ワックスはオフィスで使う付箋程度しか密着しません。
だからこそ、直ぐに剥がれてしまうのです。
また、ワックスを重ねることにより、どんどん黒ずんでいきます。
これも例えるなら、クリアファイルのうえに汚れを付け、除去せずに更にクリアファイルを置き、同じことを繰り替えしていることに等しいのです。(クリアファイルのように厚くはありませんが)
木は濡れると反って狂いが出ます。木材が歪んで裂けた場合、スライディングするような競技では非常に危険です。
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