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体育館には、基本的にバスケットボールやバドミントンといった室内競技用のコートラインが引かれています。コートラインはテープで貼られているケースが多く、使用期間が長くなるほど経年劣化で剥がれていきます。では、剥がれたラインテープを再度貼るには、どうすればよいのでしょうか。
そこで、当記事では、コートラインテープの貼り方と貼る際の注意点について解説します。貼る前の剥がす作業についても解説しているので、自分でコートラインテープの貼り替え作業をする場合には、ぜひ参考にしてみてください。
目次
コートラインテープとは
コートラインテープとは、体育館の床などに貼られているさまざまな色の粘着テープのことです。工場などでも利用されることがあり、区画表示や危険表示に使用されるケースもあります。
体育館で使用する場合は、競技用で貼られることが多く、競技ルールに則って正確な寸法で貼ることが求められます。競技ごとにコートラインテープの種類が指定されている場合があるため、幅や色などが異なるさまざまな種類から、間違えないように注意して貼らなければいけません。ラインテープの色の種類は、主に以下の通りです。
【コートラインテープの色の種類】
- 白
- 青
- 緑
- 赤
- 黄色
この中でも特に、白は使われることが多いです。実際にラインテープを貼る作業をする場合には、他の競技と混合しないように注意し、ルールに則った貼り付けが求められます。
コートラインテープは競技ごとで使用する種類が異なる
コートラインテープの種類は、競技ごとで異なる旨を上記で解説しました。そこで、以下では、各競技のコートラインテープに関する幅と色についてご紹介します。これからコートラインテープ貼りを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
【競技別:コートラインテープの種類】
競技名 | ラインテープの幅 | ラインテープの色 |
バスケットボール | 50mm | 色の指定なし |
バレーボール | 50mm | 色の指定なし |
バドミントン | 40mm | 色の指定なし |
フットサル | 80mm | 色の指定なし |
剣道 | 50mmまたは100mm | 白色 |
コートラインテープの幅は、多くの競技で指定されていますが、色の指定はほぼありません。ただし、色の指定がないとはいえ、競技の規定によっては「明るい色のほうが好ましい」といったニュアンスで取り上げているところもあるので、実際に貼る際はラインカラーの内容を一度確認してから貼るようにしてください。
コートラインテープの貼り方
コートラインテープを自分で貼る際は、なるべくまっすぐ引けるように努めることが大切です。コートラインが曲がっていると競技に支障をきたし、公平な勝負が行えなくなってしまいます。
コートラインテープをまっすぐ貼るには、コーナーやポイントごとに事前に目印をマークします。競技ごとにポイントとなる箇所は異なるので、ルールブックに則って確認してください。マークした1つを始点にし、始点から4~5cm程度にテープをしっかり貼り付けてから、床に密着しないようピンと張りつつもう一方の端までテープを引っ張ります。コートラインテープの揺れが収まった状態でまっすぐ下ろし、始点側からテープの上を歩いて床に貼り付け、固定しましょう。
貼る際に、ポール用の穴の上にテープが被ることがあっても問題ありません。その部分は、後からカットすればよいので、まっすぐ貼ることにだけ集中して貼るようにしましょう。
ツールを使うのも効果的
コートラインテープを素手で貼る場合、まっすぐ貼れるか不安という人もいるでしょう。きっちりとした直線で貼りたいなら、コートラインテープ用のツールを利用するのも一つの手です。以下では、直線用と曲線用の2つのツールをご紹介します。
【直線用のおすすめツール:ラインテープディスペンサー】
引用元:モノタロウ
コートラインテープディスペンサーは、立ったままコートラインテープを真っすぐに貼り付けられる道具です。テープを本体にセットしてからテープの端を地面に貼り、ハンドルを握って進むと、床にテープが貼りついてまっすぐにラインを引くことができます。綺麗な直線を引きたい方に、おすすめです。
【曲線用のおすすめツール:フロア用コンパス】
引用元:Amazon
フロア用コンパスは、体育館のラインテープを貼る際、曲線が綺麗に引けるようになるツールです。メジャーを使って、半径1.25~9mの円形ラインに貼れるため、バスケットボールやフットサルなどでも使えます。曲線を素手で綺麗に貼るのは難しすぎる作業です。ツールを活用して、綺麗に貼るとよいでしょう。
コートラインテープを貼る際の注意点
コートラインテープを貼る際、テープの特性に合わせて注意すべきポイントが3つあります。以下で解説していくので、実際にコートラインテープを貼る場合は、3つの注意点に気を付けながら貼るようにしてください。そうでないと、体育館の床を傷めてしまったり、劣化スピードが早くなってしまったりします。
【コートラインテープを貼る際の注意点】
- 床塗装後3か月以内はコートラインテープを貼らない
- 粘着力の強い養生テープなどで代用しない
- 特設の場合は弱い養生テープを下地にコートラインテープを貼る
床塗装後3か月以内はコートラインテープを貼らない
体育館床の塗装を過去3か月以内に実施した場合、コートラインテープを貼るのは控えてください。体育館床の塗装は、一見乾ききっているように見えても、塗装の種類や時期によっては、3か月経っても完璧に乾燥しきれていないケースがあります。
そのようなときにコートラインテープを貼ってしまうと、剥がすときに塗装が剥がれてしまう可能性があるのです。塗装が剥がれてしまうと、そこから床材の劣化が早まったり、滑りやすくなったりといった弊害が発生するため、塗装をする時期とコートラインテープ貼りの時期は、よく検討してから行うようにしましょう。
粘着力の強い養生テープなどで代用しない
コートラインテープは、体育館床の塗装が剥がれない程度の粘着力で作られているものがほとんどです。そのため、コートラインテープよりも粘着力が強い養生テープなどを代用してしまうと、そこから塗装が剥がれてしまう可能性があります。
また、粘着力が強いテープは、剥がす際に糊が床面に残ってしまう可能性が高く、後処理が非常に大変です。仮で数時間程度貼るならまだ良いですが、数日貼りっぱなしになる可能性があるなら、必ずコートラインテープを貼るようにしてください。
特設の場合は弱い養生テープを下地にコートラインテープを貼る
コートラインテープは、基本的に長期間貼り続ける場合の方が多いですが、臨時の競技などで特設するケースもあります。そういった際は、すぐに剥がしやすいように、粘着力が弱い養生テープを下地にして、その上にラインテープを貼るようにしてみてください。そうすると、剥がす際も簡単に剥がせて、床材の負担をかけすぎずに済みます。
体育館のコートラインテープの剥がし方
体育館のコートラインテープを剥がす際は、力任せに剥がさないようにしましょう。正しいやり方で剥がさないと、テープの糊が残りすぎてしまったり、テープがちぎれて床に点々と残ってしまったりします。床を綺麗に保ちながら剥がすには、以下の方法で取り組んでみてください。
【体育館のコートラインテープの剥がし方】
- テープの端を持つ
- テープを剥がしていく方向に向かって剥がしていく(この際、上方向に向かって引っ張ったりしないこと)
- なるべく手元を低い位置でキープしながら、ゆっくりと剥がしていく
- テープが切れてしまった場合は、カッターなどで端を切り、テープの先端をまっすぐにしてから均等に力がかかるように剥がす
もし、上記の手順でもきれいに剥がれない場合は、ドライヤーを使うのも一つの方法です。ドライヤーであぶりながら剥がしていくと、コートラインテープが柔らかくなって剥がしやすくなり、糊も残りにくくなります。ただし、やりすぎると切れやすくなる可能性もあるので、注意してください。
コートラインテープを剝がした後に粘着糊が残った場合の対処法
万が一、コートラインテープを剥がした際に粘着糊が残ってしまった場合は、以下の方法で対処してみましょう。
【粘着糊が残った場合の対処法】
- ガムテープやプラスチックヘラで剥がし取る
- 市販のアルコールやシンナーで拭き取り
これらの方法は、床にワックスがかかっていないことが前提となります。ワックスがかかっていると、溶剤がワックスを溶かしたり、ガムテープが塗装を剥がしてしまったりする可能性があります。もし、ワックスがかかっている場合は、専門業者に依頼するなどして、床のメンテナンスをしてもらうことをおすすめします。
ガムテープやプラスチックヘラで剥がし取る
残った糊が完璧に乾ききっておらず、ベタベタしている状態であれば、ガムテープやプラスチックヘラで剥がしとる方法がおすすめです。ガムテープを使用する場合は、粘着糊の部分にガムテープをつけたり剥がしたりを繰り返していけば、取れます。
ただし、糊がこびりついている場合には、プラスチックヘラを使用して、削ぎ落とさなくてはいけません。プラスチックヘラで削ぎ落とす場合は、強くやりすぎて傷をつけないように注意してください。また、削ぎ落とすのはかなり時間がかかるので、できる限り大人数でやるようにしましょう。
市販のアルコールやシンナーで拭き取り
糊が乾燥してしまってガムテープやプラスチックヘラではどうしようもない場合には、市販のアルコールやシンナーで糊を溶かして拭き取りましょう。アルコールやシンナーであれば、糊を侵食して柔らかくしてくれるので、拭き取りやすくなります。拭き取り切れない場合には、アルコールやシンナーが染みた状態で、プラスチックヘラを使用するのも一つの方法です。
ラインテープの糊を剥がす際に使用する溶剤に、「ベンジン」をおすすめしているケースもありますが、ベンジンは引火性が高くて危険なため、あまりおすすめできません。いくらやっても剥がせなくて何とかしたい場合には、専門業者依頼するようにしましょう。
まとめ
コートラインテープは、体育館の床などに貼られているさまざまな色の粘着テープのことを指します。体育館床に貼るコートラインテープの用途は、主に室内競技での使用がメインで、競技の規定ごとに幅や色が異なります。そのため、コートラインテープを貼る際は、競技のルールブックに則って、正しいコートラインテープを貼るようにしましょう。
コートラインテープは素手で貼るのも一つの方法ですが、まっすぐ貼ったり曲線に貼ったりするのは簡単ではないため、基本的にはツールの利用をおすすめしています。ラインテープディスペンサーやフロア用コンパスを使えば、簡単に綺麗な直線や曲線が引けます。