The following two tabs change content below.
保坂司
【資格】2級施工管理技士/1級フローリング技能士/木製床管理者/体育施設管理士/有機溶剤など【仕事】床職人歴20年のベテラン、体育館床・スポーツフロアはもちろんのことマンションや公共施設の床工事を数多く手がける。現在も職人&営業で奮闘中。【想い】ビジネスパートナ様と共に伸びゆくために取り組んでいきます。【本人より】為になる記事を精一杯書いていきますので読んでいただけたら嬉しいです。より良い提言・より良い提案ができるよう更なる知識の向上に励みます。

プールは安全?劣化から見る改修時期の目安と費用とは⁉

プール改修工事について

春になると夏場の利用に向けてのプール改修工事が始まります。
ご覧になられたことがある方も多いと思います。

改修にはリフォーム(部分補修)とリニュアール(全面補修)があります。
プール躯体に及ぶ大規模のものから、表層の張り替え、付帯部の工事などがありますが、どの改修方法を取り入れるかは状態によって異なります。

ただ、劣化が進行すると、コンクリートが割れて突起したり、躯体の腐食からバリができたり、プールサイドに小さな段差ができるなど危険な状態になります。
抜本的な処置を行う必要があるのか、応急処置を行うのかになりますが、いずれにせよ危険な状態を取り除かなければなりません。

事故が起きないように考慮したうえで改修する必要があるのです。
これについては、ガイドブックをご覧ください。

プールリフォーム・リニュアールのより詳しい内容は以下になります。

リフォーム(部分補修) プール躯体 躯体の部分補修(コンクリートプールの補強など)
手すり部分の交換
すべり台の補強
塗装補修・プールコートライン補修
プールサイド プールサイド遮熱塗装(暑さの緩和)
危険個所の補修
老朽化したフェンスの修繕
付帯設備 ろ過装置のろ過材交換
ろ過装置劣化の保護塗装
シャワー・洗面・洗眼設備の改修や再塗装
配管やバルブからの漏水補修
リニュアール(全面補修)  プール躯体  プール本体の入れ替え
底上げによるプールの再生
ニーズに合わせた再生
繊維強化プラスチックライニングによる再生
プールサイド プールサイド全面撤去更新
プール専用塗料・遮熱塗料による全面塗り替え
付帯設備 ろ過装置の交換

プール改修時期について

定期的にプールのメンテナンスをしていても守られる部分は塗膜になります。
しかし、塗膜の下には躯体がある訳でその素材はコンクリートやステンレス・アルミなどに分ける事ができます。
躯体を守っている塗膜にヒビが入ってそこから水が流入すると、躯体自体にも影響がでます。
例えばコンクリートの中性化や金属のサビを引き起こし、躯体自体の強度低下にもつながります。
メンテナンスを定期的に行っているのに塗膜の剥がれやひび割れの頻度が著しく多くなったりしたら躯体と塗膜の間に水が回っている可能性が高くなります。
一般的なプールの改修頻度は築後25年位と言われていますが、費用もかかることから中々全面を一度に行うケースも少ないです。
もちろん各施設のプールの使用頻度にもよって変わります。
中には部分的に改修を行うといった、費用に合わせて改修工事をされる施設様も多くなってきています。
プールの設置場所が屋外か屋内にもよって変わってくるので築後25年以上経過していて上記のような症状が出始めている場合は早めの点検をしなければいけません。

プール防水工事

塩ビシートによる改修工法です。
機械的固定工法の防水です。
この工法は、既存の躯体を問いません。
モルタルプール・鋼板プール・アルミプール・ステンレスプールへの改修が可能です。

塩ビシートはプール用の塩ビ鋼板を取り付けて固定します。

プール塗装工事

プールも経年によって塗装面が劣化します。
表面保護性能を回復させるためのもので、一般的なメンテナンスです。
そのため多くの施設に採用されています。
既存の躯体に適当な下地処理を行い、塗装を行います。
その際、屋根や外壁と異なった、プール専用塗料が用いられるます。
使用されるもので圧倒的なシェアを誇るのがプールコートになります。

モルタルプール・鋼板プール・アルミプール・ステンレスプール・FRPプールなどの躯体ごとに塗装仕様があります。
また、特殊な工法として層を形成するものもあります。

プール塗装の耐用年数

不特定多数の人が利用するプールは、学校プールやその他の施設にあるプールに分類する事が出来ます。
日頃、利用者が快適かつ衛生的に利用できるように水質検査する事が定められています。
安全な水質を保つため様々な薬品が使われています。
プールは防火用水の役割も担っているので一年中プール内には水が溜まっている訳ですが、薬品の影響によってプールに施されている塗膜は徐々にですが劣化していきます。
もちろんプール専用の塗料ですので直ぐに劣化する事は考えられませんが、表面の色が褪せてきたり、ひびが目立ち始めたらメンテナンスの時期の目安になります。

特に塗膜が剥がれてしまったり、ささくれの様な状態で泳ぐ・遊ぶなどしてしまうと足を切る恐れもあります。
一概に寿命という形で判断する事は難しいので塗装後10年を目途に点検するのが好ましいです。

プール塗装の単価とは⁉

プール塗装は、基本的には劣化の状態と使用する塗料によって異なります。
躯体が痛んでいる場合には補修が必要になります。
そのため、一概に正確な単価をいうことはできません。
ただ、設計価格というものがあります。
一般的な商品でいえば定価に近い考え方になります。

プールコート(モルタル)

立上り部、コーナー部 コースライン他仕上げ​

システム 工法及び 上塗り塗装 工程 設計単価
(円/㎡)
1 2 3 4 5 6
RC-101(新設) スペシャルAU 下塗 中塗 上塗 上塗 5,000
RC-200(以下改修) スタンダード 補修塗 上塗 1,500
RC-201 スペシャルAU 下塗 中塗 上塗 上塗 5,000
RC-202 スペシャルF 下塗 中塗 上塗 上塗 7,000
RC-204 マイルドAU 下塗 中塗 上塗 上塗 5,400
RC-211G G-FRE工法
スペシャルAU
下塗 ガラスクロス貼付 エポキシライニング 中塗 上塗 上塗 13,200
RC-211A A-FRE工法
スペシャルAU
下塗 アラミドクロス貼付 エポキシライニング 中塗 上塗 上塗 18,400
RC-212G G-FRE工法
スペシャルF
下塗 ガラスクロス貼付 エポキシライニング 中塗 上塗 上塗 15,200
RC-214G G-FRE工法
マイルドAU
下塗 ガラスクロス貼付 エポキシライニング 中塗 上塗 上塗 13,600
RC-303 NS 下塗 上塗 上塗 5,000
RC-320 薄層特殊セメント工法
スタンダード
プールセメントW
速乾型
プールセメントW
速乾型
下塗 中塗 上塗 7,100
RC-321 薄層特殊セメント工法
スペシャルAU
プールセメントW
速乾型
プールセメントW
速乾型
下塗 中塗 上塗 上塗 9,200
RC-323 薄層特殊セメント工法
NS
プールセメントW
速乾型
プールセメントW
速乾型
下塗 中塗 上塗 8,900
RC-324 薄層特殊セメント工法
マイルドAU
プールセメントW
速乾型
プールセメントW
速乾型
下塗 中塗 上塗 上塗 9,600
RC-255 シート工法
プールシート
シート割付、裁断、張り、仮敷、
シートジョイント部熱融着、シール
立上り部、コーナー部
コースライン他仕上げ
14,400
RC-331 レジモル工法
スペシャルAU
1 2 3 4 5 6 7 15,300
下塗 レジモル施工 目止め 面調整 中塗 上塗 上塗

プールコート(アルミ)

システム 工法及び 上塗り塗装 工程 設計単価
(円/㎡)
1 2 3 4 5 6
AL-101 スペシャルAU 下塗 中塗 上塗 上塗 5,000
AL-201 スペシャルAU 下塗 中塗 上塗 上塗 5,000
AL-202 スペシャルF 下塗 中塗 上塗 上塗 7,000
AL-204 マイルドAU 下塗 中塗 上塗 上塗 5,400
AL-211G G-FRE工法
スペシャルAU
下塗 ガラスクロス貼付 エポキシライニング 中塗 上塗 上塗 13,200
AL-211A A-FRE工法
スペシャルAU
下塗 アルミドクロス貼付 エポキシライニング 中塗 上塗 上塗 18,400
AL-214G G-FRE工法
マイルドAU
下塗 ガラスクロス貼付 エポキシライニング 中塗 上塗 上塗 13,600

プールコート(ステンレス)

システム 工法及び 上塗り塗装 工程 設計単価
(円/㎡)
1 2 3 4 5 6
SUS-101(新設) スペシャルAU 下塗 中塗 上塗 上塗 5,000
SUS-104(以下改修) マイルドAU 下塗 中塗 上塗 上塗 5,400
SUS-201 スペシャルAU 下塗 中塗 上塗 上塗 5,000
SUS-202 スペシャルF 下塗 中塗 上塗 上塗 7,000
SUS-202C スペシャルF
クリヤー仕上げ
下塗 中塗 上塗 トップ
コート
トップ
コート
7,900
SUS-211G G-FRE工法
スペシャルAU
下塗 ガラスクロス貼付 エポキシライニング 中塗 上塗 上塗 13,200
SUS-214G G-FRE工法
マイルドAU
下塗 ガラスクロス貼付 エポキシライニング 中塗 上塗 上塗 13,600
SUS-255 シート工法
プールシート
下塗 シート割付、裁断、張り、仮敷、
シートジョイント部熱融着、シール
立上り部、コーナー部
コースライン他仕上げ
14,400

プールコート(鋼板)

システム 工法及び 上塗り塗装 工程 設計単価
(円/㎡)
1 2 3 4 5 6
SS-101(新設) スペシャルAU 下塗(1) 下塗(2) 中塗(1)厚膜型 中塗(2) 上塗 上塗 8,200
SS-201(以下改修) スペシャルAU 補修塗 下塗 中塗(1)厚膜型 中塗(2) 上塗 上塗 7,500
SS-202 スペシャルF 補修塗 下塗 中塗(1)厚膜型 中塗(2) 上塗 上塗 9,500
SS-211G G-FRE工法
スペシャルAU
1 2 3 4 5 6 7 13,800
補修塗 下塗 ガラスクロス貼付 エポキシライニング 中塗 上塗 上塗
SS-214G G-FRE工法
マイルドAU
1 2 3 4 5 6 7 14,200
補修塗 下塗 ガラスクロス貼付 エポキシライニング 中塗 上塗 上塗
SS-255 シート工法
プールシート
下塗 シート割付、裁断、張り、仮敷、
シートジョイント部熱融着、シール
立上り部、コーナー部
コースライン他仕上げ
14,400

プールコート(FRP)

システム 工法及び 上塗り塗装 工程 設計単価
(円/㎡)
1 2 3 4 5 6
SUS-101(新設) スペシャルAU 下塗 中塗 上塗 上塗 5,000
SUS-104(以下改修) スペシャルF 下塗 中塗 上塗 上塗 7,000
SUS-201 スペシャルAU 下塗 中塗 上塗 上塗 5,400
SUS-202 G-FRE工法
スペシャルAU
下塗 ガラスクロス貼付 エポキシライニング 中塗 上塗 上塗 13,200
SUS-202C A-FRE工法
スペシャルAU
下塗 アルミドクロス貼付 エポキシライニング 中塗 上塗 上塗 18,400

(注)
設計単価は、施工面積が300㎡以上を基準とします。
設計単価には、下地処理費及び諸経費は含んでおりません。
塗り替え時、プールコート清浄剤を使用する場合は800円/㎡アップとなります。
下地の状態により施工工程、設計単価が異なる場合があります。
水中歩行用として底面を軽い防滑【ノンスリップ】にする「FB仕上げ」もあります。
FRE工法、シート工法についてはご相談下さい。
プール内水循環システムとして「プールコートKG-Jパイプエ法」も用意しておりますのでご相談下さい。

プールサイド(ノンスリップ)防滑工法

施工システム 品種及び工法 特徴 厚み(約)
(mm)
設計単価
(円/㎡)
PN-01 ユカクリートAU防滑
(ノンスリップ)工法
標準的な防滑(ノンスリップ)工法 0.4 2,900
PN-02 ユカクリートレジモル エポキシ系高強度樹脂モルタル 4 8,350
PN-03 ユカクリートレジモル井80
防滑(ノンスリップ)工法
水溜まりのできない透水性レジモル 10 12,000
PN-04 水系無機質コーティング工法(薄膜)(水系カラーファルト#300 CP-1.CP-3) 水性で作業性がよくアスコン面にもOK、放熱性 0.5(アスコン) 2,850
2,750
0.4(モルタル)
PN-06 プールサイド遮熱工法(Ⅰ)標準工法
プールコートターフ
塗膜に遮熱機能を持たせている
重厚な芝目模様と弾力性に富む歩行感
2.5 6,650
PN-06N プールサイド遮熱工法(Ⅰ)ニート工法
プールコートターフ
プールサイド遮熱工法(Ⅰ)の環境対応工法、
飛散防止
2.5 9,300
PN-07 プールサイド遮熱工法(Ⅱ)
弾性ゴムチップ工法 プールコートターフ
塗膜に遮熱機能を持たせている
素足にやさしい安全設計
10 15,850
PN-07N プールサイド遮熱工法(Ⅱ)ニート工法
弾性ゴムチップ工法 プールコートターフ
プールサイド遮熱工法(Ⅱ)の環境対応工法、
飛散防止
10 18,500
PN-08 プールサイド遮熱工法(Ⅲ)簡易工法プールコートサイドカラー 遮熱タイプ 遮熱機能と素足に心地よいノンスリッブ感水性で作業性と経済性に優れた塗装材 0.5(アスコン) 3,350
3,200
0.4(モルタル)

(注)
設計単価は、施工面積が300㎡以上を基準とします。
設計単価には、下地処理費及び諸経費は含んでおりません。
下地の状態により施工工程、設計単価が異なる場合があります。

最後に

いかがだったでしょうか⁉
前述もしましたが、プールの改修においては躯体の状態もありますので価格を断定できません。
上記設計表+下地処理設計価格+必要になる補修設計価格+不随工事設計価格+諸経費(産廃等)で算出された価格を参考に予算が組まれ、業者によって実行できる価格が提示され工事になります。
そのため、見積もるといっても、ある程度の経験値が必要になってきます。
早めのメンテナンスの場合、補修などの必要がなくて完了できることが多いです。
予算の都合もありますが、綺麗なうちに計画を立てメンテナンスすることがコストを抑えるためには必要です。