今シーズンの日本シリーズを振り返る

スポ女チエ

今年の日本シリーズはどうなるかと思ったけど、自力に勝るソフトバンクホークスが最後の最後に底力を発揮したシリーズで終わったね。

塩入

横浜も勢いに乗ったまま行くんじゃないかと思ったけど、やっぱり経験の差も大きかったと思うよ。
それでも来年の楽しみがまた一つ増えた。
戦力が充実しているソフトバンクをどのチームが止めるのかってね!

圧倒的な強さで勝ち上がってきたソフトバンクホークスと、シーズン三位から連覇した広島カープを破るという下克上を果たした横浜DeNAベイスターズの決戦となった2017年日本シリーズ。

強烈な打棒を見せつけ緒戦をものにし、二戦、三戦目と接戦に勝利したホークスの圧勝かと思われたが、そこからベイスターズがラミレス監督のツボにはまった采配のもと、必死に食らいつき二連勝し、戦いの舞台は初戦と同じ福岡へ。

ベイスターズの勢いは止まらず中盤リードを奪い、そのまま終盤を乗り切り、最終回へとなだれ込む。
まさにベイスターズが得意とする展開の中、リリーフエースの山崎が登板しワンナウト。

勝利まで後二人、そして真の最終戦まであとアウト二つという状況の中、打席に立ったのはかつてベイスターズの主力だった内川。
彼が在籍していた頃とは何もかも違うと言えるほどの好敵手となったベイスターズ、その守護神のツーシームを内川は一気に振り抜く。

ジャストミートした打球はグングンと伸びていきスタンドを直撃、長距離砲というよりはアベレージヒッターとして名高い内川の、四番としての最高の仕事であり、シリーズ全体の流れがベイスターズ側に大きく傾く中、それを腕ずくで引き戻すような一発は、まさしく日本シリーズのハイライトにふさわしいものだった。

勢いに乗るソフトバンク、勝利を諦めないベイスターズ。
両雄の戦いはもはや技術ではなくギリギリの意地と知略のぶつかり合いとなっていった。

シーズン中のセオリーを守り、あるいは次戦に備えてか、守護神の山崎を下がらせたベイスターズ。

一方のソフトバンクは9回表に役割を果たしたサファテをそのまま続投させていく。
2イニング、そして今季経験のない3イニング目のマウンドに上がるサファテは明らかに疲れており、ベイスターズナインは必死の反撃で攻略しようとした。

しかしわずかの差でサファテの意地が勝り、彼の頑張りが11回裏のサヨナラ勝利に直結した。

ソフトバンクの投打の柱二人が最高の活躍を見せた結果となったが、それはつまり、ベイスターズの選手たちが100%以上の力を出し切り、最強チームに肉薄した結果でもある。

ソフトバンクが強さを見せつけた今回の日本シリーズだが、本当の意味での「敗者」はグラウンド上にはいなかったのではないだろうか。